お知らせ

公開講演会 「民衆革命下のチュニジアの女性たち」

日時:2014. 11. 8(土曜日)14:00~18:00
主催:東京国際大学国際交流研究所
場所:東京国際大学早稲田キャンパス、マルティホール

参加は自由(無料)です。事前の申し込みも不要です。ムニーラ先生のご講演は英語で行われますが、日本語翻訳ペーパーを配布します。質疑応答(17:00~18:00)は通訳付です。興味のある方はお気軽にご参加ください。

【講師紹介】

講師:ムニーラ・シャプトー(Mounira Chapoutot)
(チュニス大学名誉教授)
解説:宮治美江子(東京国際大学名誉教授)

ムニーラ・シャプトー先生のご専門はマムルーク朝史ですが、講演会では “Tunisian Women During Transition’s Day” のテーマでお話しして頂きます。2011年1月のチュニジア民衆革命から現在に至るまでのチュニジア女性たちの活動状況についてのお話しと、チュニジアの政治社会状況の現状についてのご報告です。革命の初期段階からチュニジア女性は積極的にデモなどに参加し、その後イスラーム政党のナハダ党が制憲議会で第1党になると女性たちは、これまでの既得権の侵害を恐れて、約17の女性団体が集会やデモを行うなど活動を行ってきました。また女性たちの運動に賛同する男性たちも巻き込んで、雑誌やレポートを出してきました。

チュニジアは中東諸国の中で唯一、実刑を持って一夫多妻を法律で禁じていましたが、新政府においてこの複婚の禁止がどうなるか、世界が注目していました。2014年1月26日に発布された新憲法において、政教分離、基本的人権の保護、男女同権などを掲げ、複婚禁止も継続されました。さらに、新政権では、第1党のナハダ党が、エジプトにおけるイスラーム政党下の混乱に学び、リベラル派の2党と連立して、3つの要職(大統領、首相、制憲議会議長)を分け合うことが定められました。

チュニジアでは、2011年に民衆蜂起が成功した3か国の中で、新政権が最も安定しています。しかし、最近では、過激なサラフィー主義者の動きや、リビアとの国境を越えて侵入したテロリスト集団に軍隊が攻撃されているという危険な状況も発生しております。チュニジアの民主化革命が他国では見られない非暴力的な形で新しい政治の形を作り上げることができるかどうか、正念場を迎えているようです。

チュニジアの女性たちの活動と意識について、ムニーラ先生から「現地直送」の話題と高度な分析に基づいた見解が聞けるものと期待しております。

このたびは、ムニーラ先生のご講演に先立って、我が国の北アフリカ文化人類学研究の先駆けで第一人者でもある宮治美江子先生に、北アフリカとチュニジアの社会について、30分間、解説をしていただきます。宮治先生の日本語での解説のあとに、ムニーラ先生のご講演を伺えば、北アフリカ・チュニジアに関する私達の理解が一層、深まることと期待されます。

会場:東京国際大学早稲田キャンパス、マルティホール
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-6-1
アクセス:東京メトロ東西線「早稲田」駅下車徒歩約5分(2番出口)東京メトロ副都心線「西早稲田」駅下車徒歩約7分(2番出口)

主催:科学研究費補助金基盤研究(A)「変革期のイスラーム社会における宗教の新たな課題と役割に関する調査・研究」(代表:塩尻和子、東京国際大学 国際交流研究所長)

問合せ先:Tel:049-277-5951(*11月8日当日は電話対応できません) 東京国際大学国際交流課 担当:宮川
E-mail:iiet@tiu.ac.jp
(東京国際大学国際交流研究所,  s-kazuko@tiu.ac.jp(塩尻和子研究室)

詳細は下記をご連絡下さい。
20141108.pdf